観光スポット各ジャンルの動員数&他のレジャーとの比較

2010年10月27日

これまで、観光スポット各ジャンルの、2009年の入場者数ランキングについて書いてきました。
水族館 / 動物園 / 遊園地・テーマパーク / 博物館(含む美術館)

せっかくなので、並べてみよう、ということでグラフにしてみました。

上位10位のみの積算ですので、比較するにはやや精度に難がありますが、概観するのには充分かな、と考えております。

また、個別のランキングでも触れましたが、複合的要素を持つ施設がどちらかに組み込まれているため、その意味でも正確性には欠けます。(複合的要素を持つ施設とは、八景島シーパラダイスや東武動物公園などです)
どこまでも、ざっくりとした比較の役にしかたたないかと思います。これをもとになにかを考えられる場合には、ご留意ください。

博物館には、科学館、美術館、鉄道系博物館も含まれています。博物館というと、科学系以外の歴史、文化的な品々を扱う施設、という印象を持っていたのですが、ミュージアムという言葉にも、法的な括りとしても、美術館や水族館、動物園なども含むのだそうで。

さて、水族館と動物園、そして博物館(含む美術館)は、10位までの積算で1500万近辺と、3分野がほぼ拮抗している状態となっていました。

動物園では、水棲生物も扱われているわけですから、動物園と水族館が同程度の集客力を持っているというのは、日本人の魚好きが窺われます。

となると、欧米や他のアジア諸国だと、両者のパワーバランスはどんななんだろう、という興味は湧いてきてしまいます。
でも、データがすぐに揃わなさそうなのと、海が近くにない土地では、そもそも水族館が作りづらいから、地理的要因が大きく影響してしまうだろう、と考えると、データの扱いもむずかしそうなので、ひとまず断念するしかなさそうですね。

動物園と水族園を合わせると、つまり、陸棲の生き物を中心に扱う施設と、水棲の生き物を扱う施設を合わせた、生き物を扱う施設全般として捉えると、その他の博物館の倍程度の動員力がある、と見ることができます。
やっぱり、動いているものへの、また、広い意味で同族への興味は、大きいのでしょうか。

ただ、それらの3分野(水族館、動物園、博物館)の10位までの積算でも、ディズニーの二つの施設よりも、動員力は小さい、ということになります。
11位以下まで積み上げていくと、同じくらいかもしれませんが、すみません、ここではそれは割愛します。

もうちょっと引いた視線で見てみよう、ということで、もうひとつグラフを作ってみました。

広い意味での博物館合計(水族館+動物園+博物館、含む美術館)は、遊園地・テーマパークのグラフと、まあ伯仲する感じかな、というとこでしょうか。
もちろん、三分野の10位までを足していて、広い意味での博物館分野の、概ね30位までを足したくらいの状態ですから、さらに正確性は減じていますけれど……。

あ、なんかここまで、動員数にこだわっていますが、動員力がすべてだ、なんてつもりはありません。
せっかく数値を扱う機会があったので、それを活用して、概況を見てみたい、というのがこの項の趣旨となっております。
・・・・・・なのに、もろもろ比較してしまっているのは、書き手の品性に問題があると云えそうです(笑)

さて、せっかくなので別のレジャーとも比べてみよう、ということで、いくつかデータを並べてみました。

プロ野球の2009年観客動員数(出典:プロ野球Freak
プロサッカーの2009年観客動員数(出典:日本サッカー協会
カラオケの2009年年間利用者数(出典:全国カラオケ事業者協会

プロ野球は、以前のスーパー水増し発表(東京ドームの席が4万数千しかないのに、5万5千の発表が通例だった、などなど)から、実数に近い数字の発表に切り替わっているそうです。
サッカーは、実数発表が原則ですが、どこかのクラブが水増し発表をしていたとか。とはいえ、かなり実数には近いと思われます。
カラオケが、どんな計算で出しているかはちょっと不明です。

で、並べてみますと。。。
プロ野球の動員数は、東京ディズニーランド&シー(テーマパークのトップ施設)とほぼ同じなのですなあ。改めて、凄まじさが感じられます。

カラオケは、日常の中に溶け込んでいるので、もっとすごい数値になるのかと勝手に思っていましたが、博物館系施設の3分野合計とほぼ同じとなっています。それぞれの11位以下を積み上げると、博物館3分野の方が上回るわけで、意外さを覚えてしまいました。

なお、野球とサッカーは、試合数が違うので、比較してどうなるものではないのと、テレビ観戦をする人たちがいるので、影響度という意味では動員数だけでは測れない、というのも確かそうです。

さて、他のレジャーとしては、数値はあったものの、グラフが見づらくなるので掲載しなかったのが、映画であります。

日本映画製作者連盟の数値では、2009年の動員数は1億6930万人だそう。不振だと騒がれていた時期もありましたが、やはり娯楽の王様ではあるのですねえ。単価などは、ちょっと脇に置いた話ではありますが。 

・・・・・・ほかに、なにか比較対象となりうるレジャーはありますかね??
コンサートは、集計がむずかしそう。お祭りは、単発ですから、ちょっと比較の意味合いが薄そうでありますし。

来年までに、なにか思いついたら、増やしていきたいと思います。

常設展示/JAXAi 2010.10.22 筆:風待

2010年10月26日

2010年10月22日、事業仕訳けで廃止と判定されてしまって、年内にも閉鎖になるのでは、という話のあるJAXAiを訪れてみました。

丸の内オアゾという商業ビルの2階(エントランスからエスカレーターで上がるとすぐ)という、うわさ通りの好立地です。

入口

展示はもちろん宇宙航空関連で、旬のはやぶさ関連の内容も見られていました。

イトカワ、はやぶさ関連

jaxai展示

スペースが限られている関係もあるのか、圧倒されるような展示はありませんけれど、丹念に見ると味わい深そう。

そして、置かれていた広報誌がホントに読み応えがありました。これを定期的に取りに行けるというだけでも、あってくれるとうれしいところであります。

サイトを見ると、H2打ち上げ時にはライブ中継が行われたり、定例の講演的なもの(マンスリートーク)もあるそうで、常連になるとさらにたのしそうではあります。
夏休みには、こどもさんが集まるイベントもあるそうで。

結局のところ、国に余裕があれば、運営方式はともかくとしてあって悪い施設ではないと思うのですよね。
事業仕訳というものも、国家財政が潤っていても廃止すべきものと、苦しいので意義はあるけど削るべしと考えるものというのは、分けて考えないといらぬ反感を買うような。
そこまで求めるのは、課題なのかもしれませんけれど。

博物館(美術館含む)の入場者数ランキング 2009年

2010年10月26日

2009年の博物館、科学館、美術館を含めた入場者数ランキングは、下記の通りになるそうです。

1位 国立博物館
2位 国立新美術館 
3位 科学博物館 
4位 九州国立博物館 
5位 金沢21世紀美術館 
6位 広島平和記念資料館 
7位 江戸東京博物館 
8位 国立国際美術館 
9位 鉄道博物館 
10位 日本科学未来館 

出典:月刊レジャー産業資料 2010年9月号
(こちらの誌面では、さらに多くのランキングと、過去数年の推移、増減率グラフなども掲載されています)

グラフにすると、こんな感じとなります。

ミュージアムというと、美術館も科学館も、そして動物園や水族館も含む概念だそうで、法的にもそれらはまとめて扱われているそうです。そんな兼ね合いもありましてか、ここでは科学館的なもの、鉄道系の博物館、美術館も含めたランキングとなっています。

国立博物館と国立新美術館は僅差でして、ほぼ同着という感じとなっています。
国立新美術館は、コレクションを持たない美術館となっていますので、企画展の集客力で左右されることになりそうです。一方で、どんな施設かを見てみたい、という人も、まだいらっしゃるかもしれません。

……コレクションを持たない美術館って、ただのイベントスペースなんじゃ?? という思考もちょっと頭をもよぎりますが、運営やらに特化する、というところに矜持があるのでしょーか。

国立科学博物館も3位にランクインしていて、上野勢が威力を示していますが、そう考えると、国立西洋美術館が圏外なのは、やや意外とも云えそうです。
もっとも、動物園ランキングでトップに入る恩賜上野動物園も公園内にあるために、美術館にまで手が回らない、という事態が生じやすいのかも。

また、国立新美術館(2007年)、九州国立博物館(2005年)、金沢21世紀美術館(2004年)、鉄道博物館(2007年)と、比較的新しい施設が人を集めているという捉え方もできそうです。
2011年には、名古屋にJR東海のリニア・鉄道館のオープンが予定されていますが、人気を呼ぶのでしょうか。

遊園地・テーマパークの入場者数ランキング 2009年

2010年10月26日

2009年の国内、テーマパーク&遊園地の入場者数ランキングは、下記の通りになるそうです。

1位 東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランドディズニーシー
2位 ユニバーサルスタジオジャパン 
3位 ナガシマリゾート 
4位 八景島シーパラダイス 
5位 よこはまコスモワールド 
6位 富士急ハイランド 
7位 ナンジャタウン 
8位 スペイン村 
9位 スペースワールド 
10位 ハウステンボス 

出典:月刊レジャー産業資料 2010年9月号
(こちらの誌面では、さらに多くのランキングと、過去数年の推移、増減率グラフなども掲載されています)
また、そちらでは遊園地とテーマパークは別分野として掲載されているのを、併せてランキングとしている状態です。

グラフにすると、こんな感じとなります。

ディズニーランドとディズニーシーの内訳については、ネット上をさまよってみても見つからなかったのですが、それにしてもすごい集客力です。

富士急ハイランドとナガシマリゾート(ナガシマスパーランド含む)の、絶叫マシン愛好家の東西聖地は、共にランクインを果たしています。
絶叫マシンだけではないとはいえ、特に富士急ハイランドについては、立地だけならほかにも遊園地はあるわけですから、強さが光ると云えそうです。

ナンジャタウンは、フードテーマパーク的施設も含んでいて、またサンシャインシティには水族館(2010年9月からリニューアル休館中)や、プラネタリウムなどもありますので、リピーター的利用も多いのかもしれません。

水族館、動物園では、九州地区の施設がトップ10に見られませんでしたが、ここでは二施設がランクインとしてきています。

なお、リゾートとして計上されている場合、ホテルや関連施設の利用者も含まれている、あるいは重複計上されている可能性はありそうです。精度については、ある程度抑えめの見方をしていただいた方がよいかもしれません。

また、遊園地を除いたランキングでは、サンリオピューロランド、東映太秦映画村、キッザニア東京、キッザニア甲子園が入ってきていました。

動物園の入場者数ランキング 2009年

2010年10月26日

2009年の国内にある動物園の入場者数ランキング、下記の通りになるそうです。

1位 恩賜上野動物園
2位 旭山動物園
3位 名古屋市東山動植物園
4位 神戸市立王子動物園
5位 よこはま動物園ズーラシア
6位 東武動物公園
7位 アドベンチャーワールド
8位 多摩動物公園
9位 札幌市円山動物園
10位 京都市動物園

出典:月刊レジャー産業資料 2010年9月号
(こちらの誌面では、さらに多くのランキングと、過去数年の推移、増減率グラフなども掲載されています)

グラフにすると、こんな感じとなります。

3位までが200万越えとなっていますが、大都市圏を背景に持たない旭山動物園の人気度合いは、やはり目をみはるものがあると云えそうです。

九州が入っていないのは、水族館と同様ですが、動物園についても分散傾向にあるのかもしれません。動物園については、ほかのジャンルよりも身近な動物園への愛着が深そう、という想像はできますし。

最近の傾向としては、夏休み期間を中心に夜間開園が行われている動物園が増加中とのことで、ある程度動員数の踏み上げにも影響しているかもしれません。
といっても、大きな影響ではない可能性もありますが、夜行性の動物たちを見られるわくわく感は、よいものでしょうねえ。

なお、東武動物公園については、遊園地やプールも併設されているため、その数も含まれている可能性はありそうです。念のため、ご留意ください。

水族館の入場者数ランキング 2009年

2010年10月25日

2009年の日本国内、水族館の入場者数ランキングは、下記の通りになるそうです。

1位 沖縄美ら海水族館
2位 海遊館
3位 名古屋港水族館
4位 葛西臨海水族園
5位 須磨海浜水族園
6位 アクアワールド大洗
7位 鴨川シーワールド
8位 鳥羽水族館
9位 アクアマリンふくしま
10位 エプソン品川 アクアスタジアム

出典:月刊レジャー産業資料 2010年9月号
(こちらの誌面では、さらに多くのランキングと、過去数年の推移、増減率グラフなども掲載されています)

なお、動物園の中で、水族館的要素も充実している旭山動物園は、このランキングに参考的に当てはめると、1位と2位の間となります。
旭山動物園の他ではアドベンチャーランドなどがありますが、こちらはベスト10圏外相当となります。
一方で、遊園地が併設されている八景島シーパラダイスは、動員数でこのランクにあてはめるとトップに立つことになりますが、切り分け不能ということで対象外としてあります。

トップの沖縄美ら海水族館は2,790千人と、二番手の海遊館の2,209千人に50万人超の差をつけてます。立地を考えれば、とてつもなくすごい数字と云えそうです。
東京圏では、葛西臨海水族園が4位にランクイン(1,572千人)しているのが最高です。人口分布からすれば低めとも考えられますが、5位から10位までは800千人~1,000千人くらいの入場数でして、トップ10に4施設が入っているわけですから、分散している感じなのでしょうか。

名古屋港水族館と鳥羽水族館を合算すると、トップの沖縄美ら海水族館に匹敵する数字となります。
もちろん、両施設に足を運んでいる方もいらっしゃるわけで、単純に比較はできませんが、東海圏の充実ぶりは目を惹きます。

九州地区が入っていないのは意外にも思えますが、こちらも分散傾向にあるのかもしれませんね。

特別展示「未来技術遺産 登録パネル展」/国立科学博物館 産業技術史資料情報センター 2010.08.04 筆:風待

2010年8月4日

三井記念美術館を訪れる途中に、「国立科学博物館」という文字列の入った看板が目に留まりました。

「科学博物館って、上野にあるあれのこと?」と思って看板をしげしげと眺めると、資料館的な施設のよう。でも、その入口には、警備の方が立っておられます。

ま、物は試しということで、三井記念美術館の帰りに寄ってみました。

念のため警備の方に、「この看板のは、ココから入ればいいんですか?」と問うてみたところ、是という返事がありました。

そこは、三井信託銀行と同じ入口で、これもまたがっしりとした感じのエレベーターで5階に上がると、なにやら自分が場違いであるような雰囲気が感じ取れます。

どうやら、その場は完全なオフィススペースのよう。三井本館に入居するようなところは、きっとそれなりなんでしょうから、違和感を覚えるのも無理はありません、はい。

で、案内に従って進んでみると、到着しました、目的地に。

自動反応の機械音声に迎えられ、入ってみると「がらん」という擬音が似合いそうなホールの壁面に、パネルがやたらと並べられています。

とはいえ、パネル以外の展示物もあり、手前にあったのはデジカメの元祖的試作機だそう。名前が付いていて、「熱子」と「重子」ですか……。
試作機の段階では、熱くて、重い状態だったのが、あんなにもコンパクトで熱くないものになった、ということなのでしょう。

壁面の展示をつらつらと見ていくと、さまざまな施設に鎮座している機械が、「重要科学技術資料・未来技術遺産」に認定されていて、そのパネル写真が飾られている、って状態とのこと。

並んでいた中では、酒の自動販売機(ほぼ木造のよう)や、NEAC2203あたりに心惹かれました。

そして、この22葉のパネルの展示は第2回分で、ということは初回認定分もあるわけですが、それらについては、今回は紙資料があるだけ。
第一回分の中には、噴水型飲料用自動販売機や、金剛のボイラー、ブラウン管テレビに最初に映った「イ」の字が書かれた板、などもあったそう。

【重要科学技術資料・未来技術遺産】

これらの現物を一堂に集めることはできないし、また集める意味もないでしょうから、このような形の展示もよい……のですが、未来技術遺産のサイトがまったく閲覧性の低い、PDF使用の一枚ページってのは、どーゆーことなのやら。

この施設、ネット中心に展開ってことのようなのですが、HITNETというのも、いくらなんでもシンプルすぎるし。

……というのは、本筋から外れた余談でありました。
この施設、企画展をやっている時しか入れないようですが、三井本館の空気感に触れられるという、別の価値がありそうです。

産業技術史資料情報センター

特別展示「平城遷都1300年記念 奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて」/三井記念美術館 2010.08.04 筆:風待

2010年8月4日

三井記念美術館は、三井本館の七階にある、常設展示は行われていない美術館です。
日本橋の欄干に座るドラゴンに目礼し、三越本店入口に寝そべるライオンたちに見つめられながら、三井本館に到着します。

涼気があふれるロビー的な空間では、金魚のアクアリウムがなごやかな印象を放っていました。著名な水族館デザイナーさん(という呼び方で合っているのか?)がプロデュースされているそう。

係員さんが誘ってくれた重厚なエレベーターで7階へと上がると、出迎えてくれたのは凛々しい鹿の立像たち。(と、ここにも係員さんが。人の配置が豪華であります)

ぐるっとパスで入場しますと、落ちついた室内の装飾が、控えめな照明で映えています。

音声ガイドは使わず、ガラスケースに入った仏像と対面するわけですが、平日でも人はなかなか多めとなっていました。こどもさんの姿は、皆無だったんですけどね。

仏教的な知識は深くないため、造形中心の視点になるのですが、同時にここにいる仏像たちが当初の輝きを放っていたら、別の美しさがあるんだろうなあ、とも。
その頃は、日常においては金色なんて、まず目にしない時代だったわけでしょうし。
……と言いながら、すべてが金色だったのかどうかは、把握していないのですが。

そして、現状の木目だからこそさらに映える美しさ、というのもあるのでしょうね。
特に心に響いたのは、東大寺から来ている地蔵菩薩像と、元興寺からの如意輪観音像。どちらもとても綺麗でありました。

會津八一さんの歌についても展示があったのですが、こちらは仏教よりもさらに守備範囲外ということで、さらっと見させていただいた状態でありました。

この美術展は、平城遷都1300年にまつわる記念イベントの一環で、新潟での展示を終え、東京で開催しており、秋には奈良での展示となるそうです。

そして、三井のセンスが許容しないのか、せんとくんの影はまったく見当たりませんでした。いや、どこか陰の方には転がっていたのかもしれないですけどね。

三井記念美術館の入口

常設展示/台東区下町風俗資料館 2010.07.13 筆:風待

2010年7月16日

科学博物館で企画展を見て、ついでにどこか寄ろうということになり、上野公園の地図を眺めてみました。

数多くある博物館/美術館から目にとまったのが、台東区下町風俗資料館。地図を見るまで存在を知らなかっただけに、まったく期待せずの訪問となりました。

下町風俗資料館があるのは、不忍池のはしっこあたり。ちょうど蓮の花が開いている時季で、それを眺めてからの入館です。300円という値づけは、気軽に寄れる料金でよいですねえ。
一階と二階があります、との説明をもらい、まずは一階から見ることに。

展示してある家に上がりこむと、なんだか落ちついてしまいます。こういった、「当時の暮らしぶり」といった展示は、江戸東京博物館など、いくつかの施設で見た覚えがありますが、なぜかここのは、とても強く生活感に触れることができました。

商家の雰囲気も、駄菓子屋さんの商品ラインナップも長屋の居間も落ちつくのは、路地なども作りこんであるからでしょうか。よそと違う生活感がなにから来るのかは、明確な答えを見つけることはできませんでした。

かつての行商の声が流れる階段で二階へ上がると、一階とは違ってもろもろの展示が広がっています。

遊具の類が並んでいるほか、土地柄ということもあってか、浅草の盛り場、花やしき、凌雲閣などにまつわるものが多く見られました。

女優さん・俳優さんのブロマイドなどとともに、その人の芸能人生がまとめられていたり、花やしきの展示内容の変遷があったりと、肉付けが充実していてたのしめます。

比べてどうなる、というものではないものの、江戸東京博物館の同じ時期を扱った展示よりも、だいぶ充実しているような。特化の勝利、ということなのでしょうかね。

さらには、二階には銭湯の番台もありまして、座れるようになっています。江戸東京たてもの園の子宝湯もいいですけど、ここもよいふんいきとなっていました。

というわけで、期待値が低かったこともあって、大満足で、おみそれしました、という状態です。
ただ逆に、高い期待を抱いて訪れると、微妙な感じは残ってしまうかもしれません。

企画展「大哺乳類展 海のなかまたち」/科学博物館 2010.07.13 筆:風待

2010年7月16日

「陸」と「海」の二部構成で開催された大哺乳類展の、後編という位置づけになります。

陸の部は、大量の剥製たちの存在感と物量に圧倒される感じでありました。地球館三階の常設展示とは、また違った迫力のありようでしたし。

対する、今回の「海のなかまたち」は、展示物の物量としては少ないかもしれませんが、展示スペースを覆うくじらの骨の迫力や、各所に配置された映像資料が効果的で、見ごたえのある展示となっていました。

映像資料がまた、興味深いものの短時間にまとまっていて、よかったのです。よくありがちな、貴重なんだろうけどだらだらと続くビデオは、見て回る者のリズムを奪うよなあ、と思ってしまうのですが、今回のように数分にまとめてもらえると、そんなこともありません。……もっとも、人が滞留することを防ぐために、やむを得ず短くしたのかもしれませんけど。

展示内容では、アシカとアザラシの違いがとてもシンプルにまとまっていて、とても腑に落ちたことや、クジラの食事方法についてなどが興味深かったです。
知識として得るのと、映像や標本を交えて体感的に把握するのとは、やはり違うものでありますし。

一方、浅瀬に迷い込んだクジラ/イルカについてのストランディング研究の展示は、内容的に散漫で、こなれていなくて、なんだか違和感を覚えてしまいました。
まあ、すべての展示が魅せるものである必要もないのかもしれません。

なお、飛び出せ!科学くんとのコラボについては、淡い感じで気になりませんでした。逆に、それに惹かれてきた人には物足りない感があるかも。
って、そう感じたのは、音声ガイドを使っていないからか。そのナレーション(ココリコの田中さんが担当だそう)では、もしかしたら濃度が高いのかもしれません。

訪れたのは、スタート直後を避けた、夏休み入り前の平日だったため、スムーズに見て回ることができました。夏休みに入ると、おそらく混雑することでしょう。
ただ、わりとゆったりとした配置になっていたので、混んでいるときでも、意外と見やすいかもしれません。

……といったあたりが雑感ですが、同時に、この企画展に近い迫力の内容を常設展示している科学博物館は、改めて好ましい施設だなあ、と感じた次第でありました。